今回は、コンゴ民主共和国についてレポートします。
コンゴってどんなところ?
コンゴといっても、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国という二つの国があり、コンゴ川を挟んで分かれています。
コンゴ民主共和国はベルギーの植民地に、コンゴ共和国はフランスの植民地だった歴史があります。そのため同じコンゴでも国が分かれることになりました。
コンゴ民主共和国は1971年から1997年まで「ザイール」という国名だったので聞き覚えがある方もいるかもしれません。
2つのコンゴのうち、日本から中古車が輸出されているはコンゴ民主共和国の方です。
この国はアフリカ中部に位置し、日本の5倍以上の面積で、アフリカでは2番目の広さの人口約8,000万人の国です。
アフリカで唯一国内に時差のある国で、森林面積世界第2位のコンゴ盆地、流域面積と流量がアマゾン川に次いで世界2位のコンゴ川、そして金、銅、ダイヤモンド、レアメタルといった豊富な鉱物資源などの天然資源に恵まれた国です。
こう並べると、「2位」が多いですね。
訪れた都市
今回はルブンバシに訪問しました。
ルブンバシは、南東部の標高1,000mにある都市です。
人口は、首都のキンシャサについで2番目の人口を誇ります。(あ、また2番目ですね)
ルブンバシは、南部の上カタンガ州の州都で、隣国ザンビアとの国境に近く、付近にエトアール・デュ・コンゴ銅山があります。いわゆる銅山都市です。
サッカー・CAFチャンピオンズリーグを制しFIFAクラブワールドカップに3回出場しているTPマゼンベの本拠地でもあります。
ルブンバシはどんな街?
ルブンバシは、コンゴ国内では、他の都市に比べ、治安の良さや街のきれいさで有名だそうです。
ベルギー植民地時代の面影が残っており、庁舎が昔の教会だったり、植民地時代のレンガ造りの建築物が現在も使用されているなど、素敵な街並みを垣間見ることができます。
しかし、そこは発展途上国なので、荒廃した土地やカオスと化した場所もあります。
特に路面商が多く立ち並ぶケニア(地区)と呼ばれるオートパーツ街は、異様な雰囲気でした。
また鉱山都市らしく、街の中では大型トラックを多く見かけます。
コンゴの新技術!?ロボット信号!
機械製品は輸入品が多いですが、コンゴ産で活躍する一風変わった機械を街で見つけました。
ソーラーパワーで動く 「ロボット信号」です。
4つのカメラを搭載し、身振り手振りで歩行者や自動車の交通整理を行っていました。
ルブンバシとキンシャサにいくつか設置されているようですが、住民に賄賂を要求する交通警察に比べ、賄賂を要求してこないロボット信号は人気のようです。
20年落ちの車両がまだまだ現役!
中古車の話をしましょう。
街中を走る車を眺めていて、まず驚くことがカリーナの多さです。
あっちみても、こっちをみてもカリーナ。
タクシーもカリーナ、庶民の乗用車もカリーナ。
AT, ST系の20年落ちのカリーナばかりが走っています。
他には、ハイラックスサーフや初期モデルのRAV4など、懐かしい日本車のオンパレードです。
中でもやはりトヨタが人気です。
そして庶民の足である乗合バスは、やはり、定番のハイエースです。
こちらも20年以上落ちている車両がまだまだ活躍中。
早朝に待機しているハイエースの列は圧巻です!
左ハンドル車と右ハンドル車が入り乱れ
コンゴは、日本と違って左ハンドル国なので、道路も右側通行です。
しかしルブンバシ含めコンゴ東側は、隣国の右ハンドル国であるタンザニア・ザンビア・ウガンダ等の影響が強く、日本からたくさんの右ハンドル車が輸入されています。
新車は左ハンドル車が販売されており、現地では右ハンドル車と左ハンドル車が入り混じっていますが、実はその90%は右ハンドル車です。
また、コンゴでは日本で走っていた左ハンドルの外車のSUVも人気ですが、これはやはり、左ハンドル国であるゆえ左ハンドル車に乗りたい需要が高いからです。
ルブンバシへは、どうやって車が輸入されていくのか
日本からルブンバシに中古車を輸入するには、タンザニアのダル・エス・サラーム港から陸揚げし、陸路でザンビア国境を経由し、ザンビアとコンゴの国境都市である、サカニアかモガンボ、またはカスンバレサのいずれかを通過します。
ダル・エス・サラームからルブンバシまでの距離は約1,800km。セダンタイプの車両の輸送費用は約$1,200ほどです。
カスンバレサ経由で輸入される場合、カスンバレサとルブンバシ間の道路は整備されているため、あまりストレスなく行き来できます。
しかし、通関などの諸経費が他国境よりも高いので、実際はあまり利用されないようです。
その代わりよく使用されるのは、サカニアやモガンボの国境です。
実際にモガンボの国境を訪れましたが、通関等の経費が安い代わりに、周辺の道路事情は非常に悪く、悪路を避けて走行するので距離の割には時間を要しました。
コンゴで使用される言語
コンゴ民主共和国の公用語はフランス語ですが、コンゴ東南部に位置するルブンバシは現地の言葉としてスワヒリ語も話します。
首都のキンシャサでは、リンガラ語が話されています。
公用語ではありませんが、コンゴの4大共通語は、リンガラ語、スワヒリ語、ルバ語、コンゴ語が国語として指定されています。
格闘技ファンの間ではお馴染の「INOKI BOM-BA-YE(イノキボンバイエ)」は、実はリンガラ語です。
1974年10月30日、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世界統一ヘビー級タイトルマッチは首都キンシャサで行われました。
「キンシャサの奇跡」とも語り継がれているこの戦いで、観衆がモハメド・アリへ向けたリンガラ語での声援「ALI! BOM-BA-YE!(アリ!やっちまえ!)」をもじって、日本でもアントニオ猪木の入場曲に使われるようになりました。
このような歴史的な試合が、なぜアメリカやその他の先進国ではなくキンシャサで行われたのか。
それは当時のモブツ大統領が、国庫から破格の金額を払ってこの試合を呼んで来たのです。試合はアメリカのテレビ放送時間に合わせて、コンゴの現地時間で深夜3時に行われたそうです。