現在のマレーシアマーケットの状況を、現地からレポートします。
2017年12月のマレーシア輸入業者の動向
マレーシアは、国から特定のマレー系ブミブトラのAPホルダーへApproval Permit (以降AP) と呼ばれる輸入許可証が発行され、そのAP1枚につき1台輸入することができるルールになっています。
例年は、年度内に使い切れないAPは特例で有効期限が延長されてきましたが、2017年に関してはAPの延長はなく、仕切り直しで2018年APの割当がアナウンスがされるのではないと現地の関係者で噂になっています。
今後のAPの割当枚数に関しては、2017年12月中旬から下旬にかけてMITI(Ministry of International Trade and Industry)から発表があると見込まれています。
その際には、2017年年初に発表があった数十社の新APホルダーにも割当されるのではないかという憶測も広がっています。
現在発行されている2017年のAPを使用し輸入する場合は、2017年12月31日までに現地に到着しなければならず(MITIへの書類申告は12月21日まで)、マレーシアへの輸出業者各社は、現在2017年12月内に現地に届けられるように急いで船積みを準備しているか、諦めて2018年APを見込んで買付けし、出港待ちの状態が続いています。
引き続きMITIから2018年APのアナウンス待ちの状態ですが、APホルダーは仕入れに消極的であるものの、APホルダーからAPを購入して輸入している中華系バイヤー又は百戦錬磨の輸出業者は、今がチャンスと先を見越して仕入れを続けているようです。
【2017年APのMITIに対する申請の締め切りについての通知】
現地での輸入車両販売状況
現地でのRecon Car(現地ではAPを使用して1~5年経過した輸入中古車をRe-condition Carを略してRecon carという)の販売は、11月、12月は低調に推移しています。クリスマス商戦の時期であり在庫を一掃したいと考える業者は多いものの、在庫過多の状態が継続しており、販売は芳しくありません。
2018年1月以降の見込み
年末のMITIのAP割当に関する発表を境に、各社買付けをスタートする見込みです。
例年通り、年末のAPに関する方針発表後に買付が増加し、2月以降に輸入台数は増加していく傾向にありますが2018年6月24日に下院の任期(5年間)が満了を迎えるため、中国旧正月休暇明けの2月後半からイスラムの断食(プアサ)開始前の5月中旬の間に、解散総選挙が行われる公算が大きいです。
総選挙の結果及び新政権の政策次第では、3月の輸入台数に影響を及ぼす可能性もあります。
ただし、総論としては、総選挙での与党勝利が予想され、大きな変革がなければ2017年同様に輸入台数が推移していくと思われます。
また、2017年度からAPの割当方法が、一年分一括から、分割で使い切ったAPホルダーにのみ追加で発行される方法に変更されたため、各社の現地での販売状況に左右され、輸入台数は、現地販売の状況のあおりを受け、不安定な状況が続いています。
マレーシアの取引条件
昨今のマレーシアバイヤーに対する取引条件は、30日から90日のクレジットタームズ販売が主流になってきています。(前金なしで出港させ、BL等などの船積み書類をリリース、車両到着日から30-90日以内にバイヤーが完済する)
また、輸出業者の利益も、格安な手数料で販売するエージェントフィー方式が蔓延し、輸出各社は厳しい状況が続いています。
以上、2017年12月8日現在のマレーシア中古車輸出状況です。