当社にお問い合わせいただく方から、中古車はどこにでも輸出できるのでしょうかと質問をいただくことがあります。
今回は、中古車輸出の基礎知識である、輸入規制についてお話しいたします。
年式規制
まずは年式規制です。年式規制は、大きくわけると2パターンあります。
1.初年度登録(年月)
2.製造年
初年度登録(年月)は、車検証の初年度登録年(月)になり、国によっては「日」までチェックされる国もあります。
車検証や抹消証には「日」までは載っていないので、輸出期限ギリギリの車の場合は、現在登録証明書を確認する必要があります。
製造年は、車両の製造年になります。
車体や車検証に載っていない情報なので、確実に調べたい場合は「一般社団法人日本自動車工業会」が発行している「車台番号一覧表」という本で確認をする必要があります。
出港日ベースか到着日ベースか
仕向国によって、年式規制の起算が「出港時点」か「到着時点」かが決まっています。
出港時点を起算とする場合はまだコントロールしやすいのですが、到着時点を起算とする場合は、船の到着タイミングや遅延のリスクも考慮に入れなければならない為、注意が必要です。
なかなか難しいですね。
年式規制に適合しない車を輸出してしまった場合
万が一、年式規制に適合しない車を輸出してしまったら悲惨です。
せっかく輸出したのにもかかわらず、とんぼ返りしなければなりません。
その場合は、行き帰りの船賃や通関費用の負担に加え、日本国内のオークションで処分する場合は、新たに輸入車として登録し直さなければなりません。
職権打刻しオークションに出した場合、問題車両とみなされて相場よりも低い価格で落札されること間違いなしです。
十分気を付けて輸出しましょう。
年式規制の傾向
年式規制は、スリランカ、ケニア、マレーシアなど、かなり多くの国で採用されております。
イメージとしては、3年、5年、7年以内のどれかに当てはまる事が多いです。
規制ギリギリの車は好まれる傾向に
3年、5年以内などの年式規制の国の中には、3年ギリギリや5年ギリギリの、期限ギリギリ車は輸入関税が安くなる国があります。
この場合、同じ年式でも月が違うだけでオークション相場が変わってきますので、買取やオークション販売されている方は興味があるのではないでしょうか。
レンタカーやリースアップ車両の場合、3年でアップ後にオークションで販売するより3年以内にオークションに出品した方が高く売れる可能性もでてきます。
その様な車両を扱われている方は、対象車両の年式規制をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ハンドル規制
日本では、左右どちらのハンドルも走行できますが、国によっては右ハンドルのみ、または左ハンドルのみしか走行していけない国もあります。
つまり、世界には右ハンドルを輸入してはいけないという国があり、こういう国には右ハンドルの車は輸出することはできません。
修復歴・サビの規制
主にニュージーランドで採用されている規制ですが、規制とは若干ニュアンスが違います。
ニュージーランドは、輸入した車が修復歴車であった場合「現地で登録できない」という車検制度の様なものがあります。
しかし、高額な費用をかけて修理をすればOKだったりもします。
現地バイヤーの中には、あえて現地での修理コストを見込んで購入するという事もあります。
横滑り防止装置の有無
ニュージーランドには、横滑り防止機能の設置義務もあります。
現在は段階的に適用されていますが、2020年3月からは、すべての中古車に対しこの装置が装備されていないと輸入不可となる予定です。
車両緊急通報装置ERA
ロシアではこの装置が装備されていない車両は輸入不可となり、一時話題になりました。
これは人工衛星の測位システムを使い、事故など有事の際に関係機関に連絡する為に搭載を義務付けられている装置です。
余談ですが、日本が打ち上げた衛星システム「みちびき」にはGPSの精度を補完するシステムがあり、数10cm単位の精度が実現できるようになったので、車業界で注目されている「自動運転」に応用する実証実験も行われているようですね。
排気ガス規制
ヨーロッパやニュージーランドなどで採用されている規制です。
車両の型式によって輸入不可の車があります。
以上が、主な中古車の輸入規制となります。
これら以外にも、仕向国ごとに細かい規制や制度・関税などがあり、輸出車両の相場は、これらの規制が絡まってできあがっています。
仕向国ごとの詳細な規制は下記のページで公開しておりますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
国別・中古車輸入規制の一覧
カーディールページで主に販売している国は、ほとんど輸入規制がない国々です。
そういう意味では、気軽に輸出を始めることができますので、ご興味があれば下記からお問い合わせください。