海外に行くと、日本の中古車は非常に人気が高いです。
トヨタをはじめとする日本メーカーの車は、外車に比べると壊れにくく長く乗ることができると評価している人は多いですが、それに加え、「日本で使われていた車」の人気が高い理由には、下記のようなものが考えられます。
1.車検制度がある
日本には、2年(初回は3年)に一度車検を受けなければいけない制度があります。日本のユーザーは車検の為に2年に一度は整備工場に車をもっていき、車検に通るようにメンテナンスをしています。この、定期的検査が義務づけられていることが、車の状態が良いまま乗られている要因の一つになっています。
2.世界でも類を見ない道路状態の良さ
日本にいるとあまり気にしませんが、日本の道路状態の良さは世界でもトップクラスです。海外に旅行すると、観光地ではそれなりに整備されていますが、それ以外の場所では、ボコボコしていたり、穴が空いていたりする道路を見かける事が多々あります。
そのため日本で走っていた車は、その他の国で走っている車と比べ、足回りなどの重要なパーツの消耗が非常に少ないのが特徴となっています。
この様なことも、日本の中古車の品質が総じて良いという理由の一つになっています。
3.価格が安い
日本の中古車は世界一安いと言われています。
その理由には、
1)相対的な安さ
2)絶対的な安さ
があります。
1)相対的な安さ
前述した車検制度や道路状態の良さなどにより、日本で走っていた車と他国で走っていた車を同じ年式、同じ走行距離で比較すると、日本で走っていた車は、ハイクオリティ、ローコストの傾向があります。
2)絶対的な安さ
車の保有年数が伸びているとはいえ、海外のユーザーに比べると、日本のユーザーの買い替え頻度は、まだまだ高いと言えます。
買い替え頻度が高いということは、その分、車の価格が早く下落していくことを意味します。
買い替えを促進している理由はさまざまありますが、一定周期で受けなければならない車検制度にかかるコストが高いこと、
それに対して、新車が購入しやすい環境が整っていることが上げられます。
それでは、なぜ、日本では新車が購入しやすいのでしょうか。
1)発達した金融サービス
日本では、金融サービスの発達により、様々なオートローンやリースの仕組みがあります。
新興国などの中には、まだまだオートローン等が整備されていない国も多く、この金融サービスの発達は、日本の自動車産業が爆発的に成長大きな要因になっています。
2)新車の価格が安い
日本は、戦後から自動車産業が発展し、トヨタ、日産をはじめとして多くの世界的自動車メーカーが誕生しました。
その影響で、国内では、各社の競争が発生し、価格が抑えられています。
それに対し、新興国などの自国内に自動車メーカーがない国々は輸入に頼らざるをえず、すべての新車に輸入関税がかかるため、新車が高額になる傾向があります。
したがって日本は、特に日本メーカーの新車の価格が安い環境といえます。
4.車を大切に乗る人が多い
日本では、休日になると洗車をしている人をよく見かけます。またガソリンスタンドには、洗車機が設置されています。
しかし、海外では、かなかなそういった光景を見ることはありません。
このように日本人は、車を大切に乗る人が多いと思われます。外国に行くと、雨ざらしで、特に小さいキズなどは気にしないユーザーが多いですが、日本のユーザーは、しっかりメンテナンスされている車も多く、こういった文化が、年式、走行距離の割に品質が良い車が沢山ある理由です。
これらの理由から、日本は世界に類を見ない良質な中古車を安く供給できる国なのです。したがって、海外のユーザーからは、ユーズド・イン・ジャパン(日本で使われていた中古車)が人気になっているのです。