次は、現地に在庫を送って販売する「現地販売型」について、簡単にお話したいと思います。
現地販売型を行っている企業で、最も有名な企業はJan’s Group です。
設立:2000年
Jan’s Groupはオークションからの買付の他、様々な手法で買付を行っており、主に、パキスタン、ドバイ、アフリカ諸国等で販売しております。
特徴的な点は、
・現地に車両を送りヤードやお店を構え販売をしている(海上輸送中など、現地到着前からWEBサイトで販売をスタートしているようです)
・ドバイやアフリカ各国でオークションを行っている
です。
以前別の記事でも取り上げましたが、日本の輸出企業にとって、現地に在庫を送って販売する手法は一見魅力的に見えますが、 非常にハードルが高い方法 です。
特に日本企業にとって、現地販売で超えなければならない壁はたくさんあります。
例えば
(価格変動リスク)
・現地に輸送して販売するまでに、為替レートが変動してしまう
(現地での立ち回りの難しさ)
・現地に在庫を持ち込むと、足元を見られて買いたたかれてしまう
・現地の税金や関税について、外国人は上手くコントロールしづらい
・盗難等のトラブルリスクが高い
・現地で販売する際のローン手続きや資金回収の難易度が高い
(現地での集客と信用)
・現地での集客が難しい
・宗教や文化の違いにより、現地の人に信頼してもらうのに時間がかかる
(資金負担)
・関税やその他現地側のコストを支払わなければならなくなり、資金が必要となる
(安全コスト)
・日本からスタッフが現地に行くと、高コストな為、販売管理費が増大してしまう
・遠隔では、現地のスタッフをコントロールできない
などです。
海外に行くと、中国人街やインド人街、パキスタン人街など特定の国籍や人種の人が集まっているコミュニティーをよく見ます。
日本人街も先進国やアジア諸国では見ますが、後進国ではほとんど見かけません。
とりわけ中古車輸出では、どの国にいっても、パキスタンの人々がこの現地販売型を行っているケースを多く見ます。
現地で大きなコミュニティーを構成してる国の人々は、それらの人脈やコミュニティーの力を使って商売を上手くすすめています。
Jan’s Groupやその他の小規模な外資系企業は、 新興国に住み込み、宗教や人種的な繋がりを活かした人脈というコミュニティの力を活かしながら 、車を販売しています。
またご存知の通り、ほとんどの新興国では現地人価格と外国人価格が存在します。
日本人が現地を訪れると、ほぼ外国人価格で請求されますが、彼らは全てのコストを現地価格で支払っているでしょう。
加えて現地の生活も、日本人にとってはセキュリティー面などを考えると、ある程度コストがかかるものになりますが、外資系企業のスタッフ達は、そもそも新興国育ちなので、現地のコスト感で問題なく生活することができます。
外資系企業は、日本で中古車の仕入れをしている家族、兄弟がいますが、家族経営なので、日本国内の人件費や運営費も抑えることができます。
労働基準法に縛られ、国内の採用競争にさらされている日本の輸出企業が、こういったファミリービジネス的な外資系輸出業者の運営コストに、太刀打ちできない のは明らかです。
このように、日本の輸出業者にとっては、現地販売型スタイルは、なかなか真似できないモデルになっています。
どうしても現地販売型で成功するためには、長年にわたり現地に生活の拠点を置く覚悟が必要 になります。
次は、いよいよ、BE FORWARDで有名になったECサイト運営型についてお話します。