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ECサイト運営型中古車輸出の先駆者、トラストとオートレック

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 いまでは、一番有名なECサイト運営型といえばビィ・フォアードですが、そのビィ・フォアードについて触れる前に、ECサイト運営型ビジネスの歴史をお話します。

 ECサイト運営型は、前述のオークションオファー型や現地販売型と違い、 「出港前に100%代金を回収する」 というモデルです。

 数々の輸出業者がECサイト運営を行っていますが、その中でも トラストとオートレック が有名です。

株式会社トラスト(Trust Co., Ltd.)
売上:84.7億円 (2017年3月期)※中古車輸出事業のみ
設立:1988年
従業員数:38名
ECサイト開設:1996年8月
株式市場:東京証券取引所市場第二部
親会社:VTホールディングス株式会社(旧株式会社ホンダベルノ東海)

 トラストは、ECサイトであるjapanesevehicles.com(http://www.japanesevehicles.com/)を 1996年8月に開設 しました。

 元々1988年12月に外国人の方が起業した会社です。

 ニュージーランドへ輸出する輸出業者としてスタートした後、1989年にパプアニューギニアとソロモン諸島、1989年にイングランドとアイルランド、1990年にジンバブエとナミビア、1995年にはタンザニア、ケニア、モーリシャスへ輸出を開始するなど7年掛けて販売対象国を増やしました。

 その翌年にECサイトをスタートしました。

 当時は、アフリカなどの新興国のユーザーから輸出業者に問合せがあったものの、代金だけ払わせて車を輸出しなかったり、状態の悪い車を送る業者が多く存在していた様です。

 そんな中、新興国に対してきちんと状態の良い中古車を販売し、現地で、前金で支払っても安心な会社という信頼を築いていったのがトラストでした。
 つまり、トラストが ECサイトを通じて集客し、新興国に100%前金で販売する手法を生み出した と言えるでしょう。

 インターネットは、1998年頃から爆発的に普及しました。

 トラストがECサイトの運営を開始した1996年は、Yahoo! JAPANがサービスを開始した年です。

 トラストは、そんな時に ECサイト運営型ビジネスを開始した画期的な輸出業者 でした。

 その後、インターネットの普及は徐々に新興国にも広がり、トラストは順調に販売台数を伸ばし、2004年11月には株式上場も果たしました。


有限会社オートレックエンタープライズ
売上:12億円(2014年9月実績)
設立:1979年10月
ECサイト開設:1997年8月

 オートレックは、輸出企業として非常に老舗の会社です。
 山銀通商が1978年に設立されているのに対し、オートレックは翌年の1979年に設立されています。

 設立前年の1977年に水野社長が個人事業として輸出をスタートし、インターネットやメールが無かった頃は、海外バイヤーと国際郵便でやり取りしていたそうです。
 さすが先駆者、経験豊富で尊敬します。
 
 そのオートレックも、 トラストがECサイトを開設した翌年に、社名と同名のECサイト(http://www.autorec.co.jp/)を開設 します。

 このように、

・ECサイトにユーザーを集め
・100%前金で販売する

という ECサイト輸出ビジネスの導入期は、トラストとオートレックが切り開いた と言えるでしょう。

 2004年くらいまでには、2社合計で月販1,000台以上は販売する規模になっていたのではないかと推測されます。

 その後、他社の在庫を掲載するプラットフォーム型として参入してきたのが、トレードカービューでした。


続きはこちら>> 中古車輸出ビジネスの変化とトレードカービューの戦略

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