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中古車輸出の基礎知識

3つのビジネスモデルで理解する輸出業界の勢力図

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輸出業界のビジネスモデル別勢力図

 中古車輸出業界を大きく分類すると、下記の3つのビジネスモデルに分類されます。

中古車業界勢力図

  • オークションオファー型
  • 現地販売型
  • ECサイト運営型

 一部、上記の3つのビジネスモデルに当てはまらない「特殊販売型」というのがありますが、その名の通り特殊なので、これは別の機会に取り上げます。

 各社のビジネスモデルを理解すると、より業界が見えてくるでしょう。
※複数のモデルを行っている会社は、その会社が一番強いモデルにプロットしています。(各社敬称略)

 それでは、各モデルを細かくみていきましょう。

オークションオファー型

 前述のオークションとインターネットの浸透から出てきたモデルです。現在年間120万台の中古車輸出において主流となっており、基本的に売掛販売となります。

 主な輸出業者には、Autocom、Delights、ENG、IBC 、RamaDBK、SBT 、World Navi、キャンディ名古屋、スターリンジャパン、平和オート、日貿、山銀通商などがあげられます。

 オークションオファー型は、さらに次の2つに分かれます。

1. エージェントフィー型

 バイヤーの代理でオークションから落札する落札代行+輸出代行モデルです。バイヤーと事前に1台当たりの手数料を取り決め販売する手法になります。

 毎朝、オークションの出品リストが出揃うと、どの車をいくらで買うのかバイヤーからオファー(応札価格)をヒアリングし応札、落札できたら輸出します。

2. 先買い型

 上記のエージェントフィー型では、下記の様な問題が起こります。

・バイヤーと時差が合わないのでコミュニケーション取りづらい
・毎朝オファーを取る為、営業マンの工数が多くなる
・オークションの早い速度に、バイヤーがついていけない
・加修が必要な車には、オファー金額が入りづらい

 しかしながら、ある程度顧客に販売し関係を築くと、バイヤーがどの車をいくらで購入するのか傾向が掴めてきます。バイヤーからのオファーを取らずにオークションから仕入れるモデルが先買い型となります。
 
 先買い型であれば、バイヤーとは、オークションで仕入れることができた車両のみコミュニケーションを取ればいいので、営業工数が大幅に削減されます。
 また同じ国で複数のバイヤーに販売できる状況であれば、仕入れた車がうまく販売できないリスクを軽減することもできます。

 エージェントフィー型の問題として、「いくら安く仕入れられても一定の手数料しか取れない」というものがあります。

 オークションは同じようなスペックの車両でも、出品時間や、出品番号が付いた時間、天候等により安価で仕入れる事ができることがありますが、エージェントフィー型ではその分売価を下げなければならず、また、バイヤーが、たまたま安く落札された車両が相場だと勘違いして継続的に販売できなくなることもあります。

 その点先買い型は、安く買えた車を少し寝かせて、タイミングを見てバイヤーに販売するなど、細かい調整をしながら利益を積み上げることができます。

 また、加修すれば問題ない程度の車両は、本来であれば加修費用を見込めば販売できるはずですが、バイヤーが積極的にオファーしない傾向があります。

 そういった車両も先買い型であれば、仕入れ後に加修し販売することができるので、販売のチャンスは広がります。またそういった車両は仕入れも安いので、利益を多く取ることもできます。

 つまり、先買い型は、エージェントフィー型の問題点を払拭したモデルと言えるでしょう。

 ただし、先買い型にはリスクもあります。
 「仕入れた車両が思ったように売れない」「バイヤーに仕入れ価格がバレてしまう」などです。
 それに対するリスク管理が必要になってきます。
 
 また、オークションオファー型全般に言えることですが、このモデルは、営業マンが独立、起業をする際に、バイヤーを持っていってしまうリスクがあります。

現地販売型

 現地販売型は、各国マーケットに適した在庫を現地に輸送し、現地で販売するモデルです。

 現地の状況を知れば知るほど、現地のブローカーやカーディーラーが驚くほど利益を取っていることが分かります。
 それを知ると、どうしても自分で在庫を持っていって売りたくなるものです。

 日本の輸出業者も、現地でエンドユーザーに小売をして利益を取りたいと考え、一度は挑戦するところが多いのではないでしょうか。
 しかし現時点でこのモデルで成功している日本企業は聞きません。 

 おそらく、このモデルを成功させるには、現地での強力なコネクションが必要なため、外資系企業でないと、難しいモデルと言えるでしょう。

 小規模な外資系企業はブラザービジネス型が多いです。
 現地で中古車店を営み、日本に住んでいる兄弟や家族がオークションで仕入れて格安で輸出する方式です。
 家族経営なので、徹底的に仕入れや輸送にかかる販管費を押さえることができます。

 またJans Groupの様に、非常に大きな規模で現地のヤードに在庫を陳列し販売している会社もあります。
 在庫数が多いので、定期的に在庫の独自オークションも開催しているようです。

ECサイト運営型

 前述の先買い型を発展させ、ECサイトで販売するモデルです。

 現地でのインターネット環境が向上すると、WEBサイトを使って在庫を販売するモデルが普及しました。

 日本ではECサイトは気軽に購入できるイメージがありますが、中古車輸出のECサイトは高単価であること、クレジットカードが普及していない国が多いこと(与信が通らない)により、気軽にサイト上で決済まで完結することができません。

 請求書(Invoice)をサイト上で発行し、電信為替送金(Telegraphic Transfer Remittance)にてバイヤーから代金を回収することになります。

 ECサイト運営型は、掲載されている在庫によって下記の2つに分かれます。

自社在庫を掲載するサイト

 自社在庫を掲載するサイトは下記のような特徴があります。

・販売データで傾向を分析し、在庫を自社で買い付け、保有
・仕入、販売、掲載、を分業する事で生産性を高める事ができる
・ECサイトを自社で構築。顧客が自社ブランドに根付く
・100%前金で販売することができ、売掛商売から脱却できる

主な企業は、AGASTA(Picknbuy24)、Autorec、Be Forward、Enhance Auto、REAL MOTOR、Safari(tradeCarview)、Trust(Japanese vehicles)です。
最大手は、BeForwardです。

他社在庫を掲載するサイト

 自社在庫を販売する方式と異なり、在庫保有者から掲載を募る集客サービスのサイトです。
 日本でいうと、グーネットやカーセンサーの海外版というイメージです。

 ただし、こういったサイトを運営するには、

・SEOなど、集客できるサイトの構築
・車両情報、貿易情報、商談システムなど多くの機能を盛り込んだサイトの構築

などが必要になります。したがって参入するのは難易度が高いといえるでしょう。

主な企業は、CardealPage、Car from Japan、Trade Car viewの3社です。

 このように、輸出業者は、「オークションオファー型」「現地販売型」「ECサイト運営型」の3つに分けられます。
 
 次回は、3のビジネスモデルにおけるメインプレーヤーの特徴をお話しいたします。

続きはこちら>> ECサイト運営型中古車輸出の先駆者、トラストとオートレック



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